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第7話 食品の保存性と食中毒を予防

第7話 食品の保存性と食中毒を予防

さて、今回は添加物の御話3回目「食品の保存性の向上と食中毒を予防するもの」というテーマでお届けします。10年前・いや20年前に比べて食品業界は大きく様変わりしてきました。漬物のような冷蔵商品にとって一番の変化は冷蔵のまま輸送できるようになった事ではないかと思います。おかげで、当社の漬物も全国何処へでも運べるようになり、色々な御客様に召し上がっていただけるようになりました。色々な食品に様々な添加物が使われ、HACCP方式やISOなどという品質管理の仕方が確立されつつある現代においても、まだまだなくならないのが食中毒なんです。

第7話 食品の保存性と食中毒を予防平成13年には1928件もの食中毒事故が起こり、患者は死者を合わせて25866人にも及びます。また、平成14年の速報では24282となっており、約五千人に1人の割合で食中毒にかかっているのが現状です。実はこの患者数は過去20年間とそう大差はないのです。この原因として遠距離輸送、長期保存、食品製造施設の大型化、外食産業の増加などがあげられます。いずれにせよ食中毒の予防は大きな課題であり、食品の細菌の繁殖をおさえ、食品の変質や腐敗を防ぎ、食品の保存性を向上させ、食中毒を予防する事は、食品の安全性と食料資源の有効利用を確保する上で必要なことなのです。このような目的に使用される添加物には微生物による食品の劣化を防ぐ保存料、防かび剤、食品の酸化を防止する酸化防止剤や日持向上剤があげられます。

【保存料】

昔から食品は塩蔵、砂糖漬、酢漬、燻製、乾燥などの方法をもちいて保存して来ましたが、最近では塩分や糖分の取り過ぎを押さえる為や嗜好性の問題で使用できる量が少なくなってきました。変わって食品中の微生物の発育を止めて増殖するのを遅らせているのが保存料です。漬物ではソルビン酸カリウムという物質が使われたりします。他には安息香酸やプロピオン酸などがあります。近年ではこうした保存料を敬遠する傾向があり、あまり使用されなくなりました。その代り自然の中から加えると保存性が良くなる物質が色々みつかってきています。

【防カビ剤】

オレンジやレモン、バナナなどの輸送貯蔵中のカビの発生を防ぎます。
どれも残存最大量がきめられています。
かんきつ類にはオルトフェニルフェノール(OPP)、レモン、オレンジ類、グレープフルーツにはジフェニル(DP)、かんきつ類とバナナにはジアベンダゾール(TBZ)の使用が許可されています。

【酸化防止剤】

読んで字の如く酸化を防止する為に使用するものです。酸化といわれてもぴんとこないかもしれませんが、身近なところではすりおろしたりんごなどすぐ茶色になってしまいますよね。また、揚げ物やドーナッツなど油焼けを起こしたりしませんか?こんな現象が空気中の酸素によって酸化されている状態なんです。これらの現象は風味を損ねるばかりではなく、有害物質となったり食中毒の原因となったりもします。それを防ぐ為に酸化防止剤を使用します。酸化防止剤には水溶性のものと油溶性のものがあり、現在よく使われているものとして水溶性のものではビタミンC(アスコルビン酸)、油溶性のものではビタミンE(トコフェロール)があげられます。当社でも野菜(特に茄子)の切り口が黒くなるのを防いだり、緑色がくすんでしまうのを防ぐのに使用している商品があります。

【日持向上剤】

第7話 食品の保存性と食中毒を予防近年では総菜コーナーやサラダコーナーにずいぶんと色々な商品が並ぶようになりました。
一昔前までは家庭で作るのが当たり前だったものが、今では買って食べる事も多くなったと思います。このように保存性の低い食品を加工食品として売るためには、短時間であっても腐敗や変敗を防がなくてはなりません。昔からの知恵として塩や砂糖・酢などをを使用してきましたが、近年の食へのニーズに合わせ低塩・低甘味であっても日持するようにとの目的で日持向上剤が使われています。種類としては酢酸などの有機酸、ビタミンB1、ワサビなどの香辛料からの抽出物などがあります。

今回紹介しました添加物は表示の中では「保存料(○○)」「防かび剤(○○)」「酸化防止剤(○○)」などのように表示されていますが、日持向上剤だけは物質の名前そのもので書かれています。ですから、表示の中には例えばビタミンB1としか表示されていません。でもこのビタミンB1、日持向上以外にも乳化や栄養強化の目的で使用されている場合もあります。添加物って難しいですよね…。

なるべくわかりやすくと心がけて書いたつもりなんですが、ずいぶんと難しくなってしまいました。専門的な御話になってしまいましたが、色々な食品の表示から探して見て下さいね。

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